●アイカム50周年企画「30の映画作品で探る”いのち”の今」第1回 ガンをみる、がんを語る <2018年4月21日(土)>
■鈴木ほがら さん
同じテーマの作品を3作続けて見ることで、日本の医学の歴史と科学映画の歴史と両方見ることができるというおいしい企画でした。
「ガンと闘う人々」は、45年前の作品で45分間。がん細胞が血管から外に出て増殖し始める映像が鮮烈だが、全体的にはがんと闘う患者と医者を追った歴史ドキュメンタリーの趣。「癌の暴走を阻む」は、24年前の作品で25分間。CGが導入されて、より分かりやすく、より短い。圧巻は、医師が患者にムンテラする場面。患者の人生観と医師の技量が丁々発止の火花を散らす。「バイオでがんとたたかう」は、12年前、子ども向けのたった4分の作品。たった4分なのに、癌とは何なのか、どうやって闘うのか、よくわかる。同じテーマに取り組み続けて研ぎ澄まされると、難しい話をこんなにシンプルに短くまとめることができるようになるのだな、というのが、3作見ての感想。
映画の後に、薬学の専門家、林治久先生の講義。これもまた、びっくりするくらいわかりやすい。その道のエキスパートは、難しい話を単純にわかりやすく話せるものなのだ、と感じた。あまりにもわかりやすく話してくださったので、一点だけ、私が親に聞かれたらどのように説明して良いか分からない、と思ったことを質問させていただいた。先生ならどのように説明されるのか、学びたかったから。誠実に丁寧にお答えいただきました。ありがとうございました。
■参加者の感想から
YAさん:
SYさん:
1973年1994年と時間の経過による研究の進展が比較できて興味深いです。古い映画でもこのような価値がある。最初の2本は医師向けということでしたが、比較的一般向けと感じました。科学教育映画の研究をしているので機会と都合があれば参加させていただきたいです。
20年、10年おきの選択が時の流れを感じさせてくれた。変わること、変わらないこと、なんとなくだけど。1本目のラスト「10年後にがんは克服されているだろう」を出演されていた先生方が観たら何とおっしゃるだろう。2本目の「全ゲノムが読まれるだろう」は実現したけれど、「がんとの闘い」はまだまだ続きそうですね。
NHさん:
林さんの解説があったことで、映画だけでは理解できない知識も具体的に感じとることができた。癌は身近な病気だが、本当によくわからない。もし自分や身近な人がなった場合、治療の判断ができるか自信がない。医師を信頼するしかない現実だと思う。たいへん勉強になりました。ありがとうございました。今後とも良いお仕事を継続されますように。
OMさん:
1,2本目の映画は難しいので、一般的に理解できる映画を希望します。林先生の講演は解り易く、一般的な知識として勉強になりました。
DHさん:
「がん」に対する考え方が、一望出来て大変参考になりました。
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がんについて、解って良かったです。顕微鏡の世界、見たことのない映像が見れてよかったです。
HKさん:
市民科学研究室としては、テーマ周辺の科学と市民の関係を問う/考える話ができるとよいと思います。
NKさん:
林先生の話がおもしろかった。女性の医師が増えていること。がん治療の基本的情報を学べた。治療予想・年がそうなっていない、合致していないこと。がん治療を俯瞰して、当時の全体像を語って見せた「ガンと闘う人々」。ガンの生態を細胞レベルで見せた「癌の暴走を阻む」。子ども向けの「北の丸博士」。組み合わせが良かった。映像で比較できた。上田さんも顕微鏡画像のことや、アイカムの姿勢をよく理解された上での、丁寧なご司会で好感でした。