薬と人間
制作年月
1977年10月
時 間
59分
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あらすじ
古代文明の薬。シルクロードから日本へ伝えられた薬。
薬と人間の歴史は古今東西に求められます。 かつて、病気との戦いは、神仏に祈ること、そして経験から得た手当てと薬でした。
西洋の医薬は、ギリシア・ローマから、アラビアを経て、ヨーロッパで花開き、パドバ大学はその中心でした。ベサリウスの解剖書の出た1543年は、地動説の年でもありました。近代科学は人体の仕組みをとらえ始め、錬金術から芽生えた化学は無機物から有機物を生み、合成薬を作り、着実に発展していきました。
鎖国下の日本でも、山脇東洋による解剖や、華岡青洲による麻酔薬など独自の努力が続けられました。わずかに開かれた出島を通しての蘭学との接触は、やがて開国と同時に西洋医学への大転換となり、多くの日本人が留学して、コッホやエールリッヒとともに近代細菌学、近代薬学に参加することになりました。
フレミングによる抗生物質の発見。個体から組織、細胞へと追求してきた医学は、物質に達し、DNAに至ります。人体、そして病原体の追跡は、また新しい医薬や病 気との新しい戦い方を生み出します。
しかし、医薬を信頼していても、病気の前に人は祈らずにはいられません。身代わり地蔵や薬師如来信仰。古来無数の人々の祈りと努力が連綿と続けられ、病気と戦う武器、薬を我々は手にしてきたのです。
この映画を見た医薬に携わる多くの方々から、誇りと勇気を与えられたという嬉しい言葉をいだだきました。なお、天然痘の予防接種「牛痘法」の馬場佐十郎による北方からの伝来経路は、この映画取材を機に再発見されたものです。
受賞歴
1978 マールブルグ国際医学映画コンクール 医学教育映画最優秀賞
1978 科学技術映画祭 優秀作品賞
1978 日本産業映画コンクール 奨励賞
1987 北京国際科学教育電影大会 栄誉賞
厚生省推薦
日本医師会推薦
日本映画ペンクラブ推薦
日本薬剤師会推薦
文部省選定
優秀映画鑑賞会推薦
企 画
株式会社スズケン
株式会社三和化学研究所
監 修
小川 鼎三 (順天堂大学 教授)
木村 康一 (東日本学園大学薬学部 部長)
学術指導
石橋 長英 (日本国際医学協会 理事長)
協 力
酒井 シヅ (順天堂大学医学部 講師)
今枝 一男 (星薬科大学 教授)
上山 英明 (和歌山県立医科大学 教授)
大塚 恭男 (北里研究所東洋医学総合研究所 部長)
真田 幸良 (日本赤十字社医療センター薬剤部 部長)
中谷 林太郎 (東京医科歯科大学医学部 教授)
幡井 勉 (東邦大学医学部 教授)
秦 藤樹 (北里大学 教授)
木村 雄四郎 (日本大学 元教授)
前川 久太郎 (東京医科大学 教授)
※企画社名、監修・指導学者の所属・肩書き等は完成当時のものです。
スタッフ
演出:武田純一郎
脚本:中尾寛治 / 武田純一郎
撮影:長谷川高久 / 杉山章
作画:森日出朝
音楽:原田甫
解説:野沢那智
制作:郡司良 / 轟泰行
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