静岡県の大井川上流にある青部に、かつて小学校だった建物が残っている。毎夏、俺たち、こもんけん(子供問題研究会)の仲間は、ここで5泊6日を過ごす。大人も子供も一緒になって遊ぶ。30年も続いている青部の合宿が、今年、いつもとちょっと違うのは、誰かが自分たちの映画を作ろうと言い出して、映画会社の撮影のカメラが一緒に行くことになったこと。記録することと並行して、自分たちで書いたシナリオをもとに撮影することにした。迷子騒ぎ、うんこ、ボランティアじゃないというこだわり、川遊び、騎馬戦、みんな本気で遊び、本気でけんかしている。映画作りもみんなで楽しんだ。いろんなやつがいて、好きなことも嫌いなことも、いろんなことがごちゃ混ぜで、青部はずっと続いている。
------------------------------------------------------------------------
子問研(子供問題研究会)
心理臨床家、特殊教育専門家として「障害」児とその家族などと出会ってきた篠原睦冶は、1972年春「どの子も地域の学校へ」「共生・共育」を願い、子問研を設立。三歳児健診、胎児チェック、養護学校義務化、高校入試の壁、就職、介護と付き添い・・・制度化や選別・隔離・管理の流れに抗し続け37年。「共に生きる」道筋を求めて「夏のあおべ合宿」などを続けてきた。
『俺、「普通」に行きたい(正・続)』(明治図書)などを公刊。