時空キューブ 生命01 呼吸
制作年月
2009年8月
時 間
34分
この作品はDVD-Bookで販売しています。→詳細
ずっと生命科学の映画を制作し、生命現象を表現する方法を模索してきて、キューブを使った新しい科学映画の表現法に至りました。
生命現象を時間軸と空間軸でとらえ、「時空キューブ」という立体で表現しています。縦方向が空間軸、キューブが手前に回れば拡大し、眼に見えない細胞も見えてくる。横方向が時間軸で、キューブが回れば、時間が縮まり、静止している細胞も動き出す。生きている個としての体験と、意識していない体の中の細胞の体験までが実感でき、血管を流れる赤血球の一つ一つの中に分子の動きが見えてきます。
解剖図や標本だけでなく、生きて動いている姿を見てもらい、生きているとはこういうことではないかという「生命の風景」を直感的に見ている人が実感できるのではないかと思います。身体、細胞、分子・・分けて解析された部分だけでなく、部分と全体が一つのものとして、生命をイメージできればと思います。
医学・生物学・生命科学を学ぶ学生から、医師、医療スタッフはもちろん、一般の方々にも楽しめる内容です。シリーズで作っていきたいと計画していますが、その第一巻が「呼吸」です。
※「時空キューブ」はアイカムの登録商標です。
あらすじ
吸い込まれた空気は鼻腔を通り、気道壁にぶつかりながら肺胞に到達する。II型肺胞細胞がサーファクタントを作り、肺胞を護り、伸縮を助ける。肺胞とそれを覆う毛細血管が外呼吸、ガス交換の舞台である。
赤血球の中に充満するヘモグロビンが酸素と結合して、全身の細胞に送り届ける。各細胞では、内呼吸によりミトコンドリアの電子伝達系が酸素を使ってエネルギーを作り出し、ATPの形で蓄え、消費する。その時、生じる二酸化炭素が赤血球を介し、血漿に溶け込んで肺に運ばれ、外気に吐き出される。
空気を温め、湿らせ、汚れを除く…鼻腔から気道の特有な密な血管網、粘液を作る杯細胞と線毛細胞の協働。肺胞の拡大・収縮とともに赤血球も膨らみ、扁平になる。それを支える分子の水路、アクアポリン。多様な細胞と多様な分子が呼吸を支えている。
受賞歴
2010 第51回科学技術映像祭 特別奨励賞
2010 映文連アワード 特別表彰 優秀企画賞
スタッフ
監督:武田純一郎
構成:武田純一郎
編集:武田純一郎
脚本:川村智子 / 武田純一郎
撮影:宮崎俊 / 林正浩 / 武田温 / アイカム撮影部
実験研究:高岡成好 / 栢菅敦史 / 盛崎友介 / シネ・サイエンス研究所
SEM:石崎美知子 / 北原幸夫
デジタル編集:林正浩
CG :永田雅己 / 朴慧彬 / 大場健嗣 / 森日出朝
題字(イラスト):武田セツ子
音楽(作曲):宮川 進
ナレーター:津野まさい
協力:東京フィルムセンタースクールオブアート専門学校
小笠原ホエールウォッチング協会
アドバイザー:根本優子 (長崎大学)
制作デスク:轟泰行 / 山内修 / 鈴木匡子 / 関根祐美子
製作者:武田純一郎 / 長谷川高久 / 武田遊
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