A:「くすりの話」 薬探しは古今東西の草根木皮に始まり、80年前には抗生物質を見つけ、体の中にも重要な薬をみつけた。腎臓の作る赤血球を増やすエリスロポエチンは、今ではバイオの力で薬として細胞が作られている。
B:「バイオでくすりをつくる」 昔から、人間は生き物の力を借りる技術(バイオ)で、多様な食物や酒を作ってきたが、今、新しいバイオで薬が作られている。DNAに刻まれた楽譜のような情報で、必要な薬を専門の細胞に作らせている。病原菌と戦う白血球を元気づけるG-CSFもそうした薬の一つだ。
C:「バイオでがんとたたかう」 がんは自分の体の細胞が勝手に増えたり、悪さするので怖い。健康な細胞とがん細胞を見分けるのは難しく、従来薬の治療も妨げてきた。そこでがんの目印にくっつく抗体を、がんと戦う新しい薬として作り始めている。
D:「病気の話」 薬を使うのは病気を治すため。どうして病気になるんだろう。体内のいつもの調子がくずれる病気と、体外から病気のもとが入ってくる病気がある。細菌・真菌・ウイルス…こんな小さい敵に対して、体を守る細胞もいる。
E:「細菌とのたたかい」 血液には、赤血球にまじって体中をパトロールしている白血球、好中球がいる。細菌と戦い、体を守る細胞だ。カラがあって食べにくい細菌もいるけど、仲間の作った抗体のおかげで食べることができる。抗体や好中球を増やすバイオの薬も応援している。
F:「インフルエンザの話」 インフルエンザにかかると、ウイルスにやられてのどの線毛細胞も壊れてしまう。ウイルスは細胞に入り込んで増え、細胞から細胞へと広がるが、インフルエンザウイルスを増やさないため、細胞との結合を離せなくする薬も作られている。