骨とサイトカイン 骨吸収をめぐって
制作年月 1996年7月
時 間 19分
あらすじ 骨粗鬆症の原因として、閉経後女性に起こる急速な骨量減少が問題になっています。近年、骨髄で働くサイトカイン、特にIL-1とIL-6がその原因として注目されていました。

従来、胎仔の頭頂骨で実験されてきた骨粗鬆症の研究。サイトカインの骨に対する作用も、これまでマウスやラットの胎仔の頭の骨を用いて行われてきたのです。しかし、骨粗鬆症の舞台は頭の骨ではなく、椎骨など体の骨が減少します。そこで、この映画では、世界で初めて成体マウスの椎骨を器官培養し、サイトカインによる骨の細胞のふるまいを記録することに成功しました。破骨細胞の骨吸収には、サイトカインを介して、様々な細胞との相互作用が関与しているようです。

実際に骨粗鬆症のおこる海綿骨(椎骨)を舞台とすることによって、頭頂骨とは違う、骨吸収・骨形成に関わる物質(サイトカインIL-1やIL-6)に対する反応の違いがあきらかになり、専門の研究者から高く評価された作品です。
受賞歴
企 画 旭化成工業株式会社
監 修 折茂 肇 (大蔵省東京病院 院長)
井上 哲郎 (浜松医科大学 教授)
森田 陸司 (滋賀医科大学 教授)
学術指導 小澤 英浩 (新潟大学歯学部 教授)
須田 立雄 (昭和大学歯学部 教授)
※企画社名、監修・指導学者の所属・肩書き等は完成当時のものです。
スタッフ 演出:富田勉
撮影:豊村謙治
研究:富田勉
解説:野沢那智
制作デスク:戸田祥一郎
制作:武田純一郎 / 奥田幸夫