マスト細胞
アレルギー性炎症の発症を追って
制作年月 1994年6月
時 間 20分
あらすじ 実験動物ラットの生体に起こるI型アレルギー反応を記録し、3人の研究者にアレルギー研究の最先端を語ってもらった。まず、教科書的なアレルギー反応の過程を、順を追ってみていくことにした。すべての反応の引き金になっているのはマスト細胞である。

アレルゲンの刺激によって、マスト細胞が脱顆粒すると、ケミカルメディエーターが放出され、血管拡張、血管透過性の亢進、粘液の分泌や神経刺激、気道の 狭窄などの即時型反応が起こり、さらに数時間後、マスト細胞が作るサイトカインなどの作用で、炎症細胞が血管壁にローリング、粘着し、組織へと遊走して、 活性化され、気道粘膜の炎症を主体とする遅発型反応が起こる。

顕微鏡撮影によって、血管平滑筋の収縮、マスト細胞の再生、脱顆粒に先立つマスト細胞上のIgEレセプターの凝集現象など、いくつかの新しい映像がとらえられた。

そして、映像を見てきた研究者たちの興味を引いたのは、マスト細胞と好酸球がいつでも近くにいるという現象であった。これは何を意味するのか。この映画 を通して、また新たな課題が生まれたようである。とらえられた映像をどうみるか、最先端の研究者が現在進行形で語ることで、臨場感が生まれた。
受賞歴 1995 パルマ・メディキナーレ国際医学・科学映画祭 銀賞
企 画 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 三共株式会社
監 修 宮本 昭正 (国立相模原病院 院長)
奥村 康 (順天堂大学医学部 教授)
学術指導 羅 智靖 (順天堂大学医学部 講師)
斎藤 博久 (国立相模原病院小児科 医長)
中畑 龍俊 (東京大学医科学研究所 教授)
※企画社名、監修・指導学者の所属・肩書き等は完成当時のものです。
スタッフ 演出:武田純一郎
脚本:川村智子
撮影:栃沢正夫 / 春日友喜 / 豊村謙治
研究:富田勉
作画:森日出朝
制作デスク:戸田祥一郎 / 轟泰行 / 吉野俊昌
制作:武田純一郎 / 奥田幸夫