生きている骨 −骨粗鬆症の背景を探る−
制作年月 1988年11月
時 間 21分
あらすじ 骨の量が減り、骨がもろくなってしまう病気、骨粗鬆症。その背景となる骨代謝の様子を、細胞の動態から見ていきます。

骨は、骨を溶かす破骨細胞と、骨を造る骨芽細胞によって、絶えず造りかえられています。骨髄の細胞を培養すると、多核化した破骨細胞が現われ古い骨が吸収されていきます。やがて骨芽細胞が増殖し、分化して骨を造っていきます。コラーゲン繊維の網の目、細胞内顆粒、そしてリン酸カルシウムの沈着。顕微鏡下で長期の観察を可能にした培養装置と、数週間にわたる撮影、併行した走査型電子顕微鏡による観察によって、造骨の過程が見事に捉えられています。

高齢化社会の到来とともに、社会問題化してきた骨粗鬆症のメカニズムを探った作品です。巨大で多核の破骨細胞が多核や単核の細胞の融合で生まれ、骨に密着して吸収することを映像で実証し、また数週間にわたる長期培養が造骨の過程を明らかにしました。やがて骨芽細胞は破骨細胞へと分化するのです。まさに生 きている骨。
受賞歴 1989 パルマ・メディキナーレ国際医学・科学映画祭 グランプリ
1989 日本産業映画・ビデオコンクール 奨励賞

日本医師会推薦
日本映画ペンクラブ推薦
企 画 東洋醸造株式会社
監 修 折茂 肇 (東京大学医学部老年病学 教授)
井上 哲郎 (浜松医科大学 教授)
森田 陸司 (川崎医科大学 教授)
学術指導 小澤 英浩 (新潟大学歯学部 教授)
須田 立雄 (昭和大学歯学部教授)
※企画社名、監修・指導学者の所属・肩書き等は完成当時のものです。
スタッフ 演出:武田純一郎 / 中尾寛治
脚本:武田純一郎
撮影:浅野勲 / 豊村謙治
研究:石崎美知子
音楽:吉田征雄 / 宮川進
解説:野沢那智
制作デスク:轟泰行
制作:吉野俊昌