スーパーバグの世界
制作年月 1987年3月
時 間 20分
あらすじ 熱湯や深海、死海や南極の氷の世界には、長い間、生命はいないと考えられていました。スーパーバグとは、そうした特殊な環境にすむ微生物です。ひとたび、視点を変えるとさまざまな生き物が姿をあらわし、新しいまなざしを向けると違う世界が広がっていました。中には、磁石を持つ細菌や、鉄を食べる細菌もいます

未知の有用な特殊能力を持つスーパーバグの探索が始まるとともに、ガン治療から、食品添加物、洗濯洗剤、鉱山資源の回収や排水処理など幅広い実用化が期待され、また、35億年前に誕生した古細菌もいて、地球と生物の歴史を解く鍵かもしれないと研究者は沸き立ちました。

レンズを侵す強酸で増える好酸菌や、乾くとたちまち塩に埋まる好塩菌。変わり者のスーパーバグは本当にカメラマン泣かせでしたが、この映画の中で、とらえられた三角形の好塩菌の分裂・増殖こそ掘越弘毅先生らのプロジェクトの研究者とともに徹夜の末、苦労して世界ではじめて記録された映像です。三角形の細菌がどのように分裂するのか? 百聞は一見にしかず。

このときはまだ仮説だった、古細菌が現生の細菌とは全く異なる歴史をもつことが認められ、生物学上の分類も今では大きく変わりました。
受賞歴
企 画 科学技術庁
学術指導 堀越 弘毅 (新技術事業団)
秋山 優 (島根大学教育学部)
※企画社名、監修・指導学者の所属・肩書き等は完成当時のものです。
スタッフ 演出:川村智子
脚本:川村智子
撮影:栃沢正夫 / 豊村謙治
研究:三浦由佳
作画:森日出朝
解説:野沢雅子
制作デスク:轟泰行
制作:長谷川高久