生命 〜哺乳動物発生の記録〜
制作年月
1970年8月
時 間
26分
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あらすじ
ヒトの細胞が分裂している。46本の染色体が2倍の92本になり、46本ずつ両極に分かれて、細胞が二つになる。生命が永い歴史の中で作り上げた記憶が、このようにして語り継がれていく。
生命を生み出す母体の器官、子宮、卵管、卵巣がみえる。卵巣の中では細胞が細胞を育てている。卵子が成長しているのだ。卵胞液でおおわれ、さらにその外側を顆粒膜細胞に守られて成熟し、卵子となる。
男性の精巣が培養される。精祖細胞が成長して精母細胞となる。精母細胞の第一分裂は減数分裂、第二分裂を経て精子に成長する。細胞の中で、鞭毛が形成され細胞膜を突き抜けて、成熟した精子となる。
卵巣の表面、排卵、成熟した卵子が噴出する。卵管采の内側にある線毛が、卵を誘い込む。卵管を移動しながら卵は顆粒膜細胞を脱いでいく。子宮口から精子が進入する。卵管の線毛の流れに逆らって膨大部まで辿り着く。ここで精子と卵が邂逅する。受精の直前に卵の減数分裂が完了する。受精した卵が、分割を繰り返しながら、子宮に向かって移動する。胞胚期の卵が、子宮に到着する。卵の絨毛が子宮粘膜と結合して、胎盤を作り始める。
子宮粘膜に柔らかく抱かれた新しい生命。その中で細胞は、増殖しながら、さまざまな器官を作り始める。神経の管、脊椎ができてくる。心臓が形成される。生まれ出る喜びと恐れを秘めて、最初の博動が始まる。その頃には、もう次の世代の準備、生殖細胞が動いている。
世界で初めての哺乳動物発生の記録、映画の完成発表が、アメリカの不妊学会でおこなわれると、タイムライフに4ページにわたって紹介され、フランスのパリマッチやドイツのシュピーゲルなどが次々と写真を掲載し、世界中の話題となった作品。
受賞歴
1970 ベニス・パドバ国際科学・教育映画祭 自然科学・生物部門 第一位賞
1970 科学技術映画祭 優秀作品賞
1970 芸術祭 優秀賞
1970 日本紹介映画コンクール 優秀作品賞
1971 モスクワ国際映画祭 特別招待
1971 ユーゴ・ニコラ・テスラ国際科学映画祭 金賞
1971 リオ・デ・ジャネイロ国際科学映画祭 金賞
1971 国際科学映画協会キエフ大会 特別招待
1972 インド家族計画全国大会 特別招待
1976 ジョン・ミューア・メモリアル・ホスピタル医学映画祭 入賞
1987 北京国際科学教育電影大会 栄誉賞
日本医師会推薦
日本映画ペンクラブ推薦
文部省選定
優秀映画鑑賞会推薦
企 画
帝国臓器製薬株式会社
監 修
林 基之 (東邦大学医学部産婦人科 教授)
学術指導
青山 友三 (東京大学医学部 教授)
石河 利隆 (関東逓信病院第三臨床検査科 部長)
小林 隆 (東京大学 名誉教授)
松本 清一 (群馬大学医学部産婦人科 教授)
野嶽 幸雄 (慶応義塾大学医学部産婦人科 教授)
中西 宥 (北海道大学獣医学部 助教授)
西村 秀雄 (京都大学医学部解剖学第三 教授)
西川 義正 (京都大学農学部家畜繁殖学 教授)
新島 迪夫 (東京医科歯科大学医学部 教授)
落合 京一郎 (東京医科歯科大学医学部 教授)
鈴木 雅州 (東北大学医学部産婦人科 教授)
志田 圭三 (群馬大学医学部泌尿器科 教授)
佐々木 本道 (北海道大学理学部 教授)
東条 伸平 (神戸大学医学部産婦人科 教授)
田中 達也 (愛知県がんセンター研究所生物学 部長)
渡辺 良雄 (国立予防衛生研究所細胞病理学 室長)
山田 正篤 (東京大学薬学部 教授)
緒方 正名 (岡山大学医学部 教授)
※企画社名、監修・指導学者の所属・肩書き等は完成当時のものです。
スタッフ
演 出:武田純一郎
脚 本:武田純一郎 / 渡辺正己
撮 影:武田純一郎
研 究:浅香時夫
音 楽:堀悦子
ナレーター:城達也
制 作:林六郎
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